- 2023年7月28日
赤江龍介さんによる記事
https://www.blwisdom.com/marketing/series/jocbs/item/10188.html
1:簡単な現地語の習得がローカルの仲間との距離を縮める
「ベトナムにも敬語のような言葉を使う文化があるのですが、彼らの習慣に沿うことで、より親しみを感じてもらえます。例えば、年上の男性には”アノイ”、女性には”チオイ”と名前の前に、年下の男女には”エモイ”と名前の後につけます。また、仕事がスケジュール通りに進めないことも多く、現地採用の社員は”チョイオーイ”(なんてことだ)とよく言います。こうした社内で飛び交うローカル用語を習得することが、社員との人間関係の構築を楽にしてくれることがあります」(佐々木さん)
2:ベトナム人にとって家族との時間は最優先
「ベトナム人にとって、”家族”と”家族行事”は最優先であるということを心得る必要があります。ベトナム人は、どんな人でも数ヶ月に1度は家族行事で数日~1週間程度、仕事を休むことがあります。冠婚葬祭の行事が主ですが、そのほかにも”Family Issue, Family Trouble”と言い、急遽故郷に帰省することもあります。そのようなとき、私は事情の詳細は聞かないようにしています。また、その期間中、本人が自発的によいと言わない限りは、仕事の連絡はしないようにしています。ベトナム人にとって、家族との時間や親戚が集まる行事はとても神聖なものです。そこへの配慮は、特に人を雇う立場の経営者にとってとても大事です」(矢積さん)
3:日本の飲みニケーションは有効
「マイクロアドの社員は平均年齢が25歳と若く、社内の飲み会の場になると、社員が”アグレッシブ”になります。例えば、上司の私に対しても一気飲みを誘ってくる文化があり、そのときは私もそれに応えるため、体を張って飲みます。ベトナム人は、人柄はとてもよいのですが、本心を隠す傾向にあります。飲みの場のような、彼らの本心を聞くことができる場は貴重ですから、社内の飲み会の場はとても大切にしています」(十河さん)
「部下・パートナー企業のマネジメント」編
4:「嫉妬深い」からこそ評価の基準を明確化
「ベトナム人の性格は、一般的に嫉妬深い傾向があります。特にキャリアへのモチベーションが高い人ほど、その傾向は強いと感じます。ですから、社員への対応には特に気をつけており、上司としてすべての社員に対して、表向きは常にフェアに保つことを意識しています。経営者は立場上、すべての社員に対して同じように接することは難しいのですが、評価の基準を明確にしてあげることはとても大切です」(十河さん)
5:マイクロマネジメントを当たり前だと思える適応力
「日本なら、ビジョンと方向性を提示して大まかに指示を出せば社員が動いてくれることも多いのですが、ベトナムにおいては、それでは物事は進みません。相手に何をしてほしいのかを詳細に指示して、やっと思った方向性に物事が進みます。ですから、マイクロマネジメントが必須です。そうした状況にストレスを感じず、それが当たり前だと思える適応力を培うことが大事だと思います」(矢積さん)
6:残業、長時間労働はしない
「ベトナム人は礼儀正しくおしとやかで、気質も日本人と似ているでしょう。しかし、大きく異なるのは働く時間の長さです。彼らは家族や友人を大切にするため、基本的に長時間労働はしません。残業をするのは稀なので、定時までに彼らがタスクを終われるようなマネジメントスキルが求められます」(佐々木さん)
「仕事・生活のインフラ」編
7:サメが回線を食いちぎってインターネットが遅延
「1ヶ月に1度くらいの頻度で、インターネット回線が異常に遅くなることがあります。原因は”海底ケーブルの切断”、しかも”サメが食いちぎって”などという、本当かどうか検証のしようがない理由です。現地の人は基本的にはそれを”仕方ないよね”といった雰囲気で、私もそれに慣れてしまっています」(矢積さん)「モバイルインターネット端末を常に準備しておくのが得策でしょう」(十河さん)
8:バイクの運転手の目を見て道を横断
「都市部から郊外に行くための主な交通手段は、バイクとクルマです。ベトナムはバイクが多いことでよく知られていますが、道を横断したいときなどにバイクの列が途切れないことがよくあります。そのようなときは、バイクが走って来ていてもずんずんと渡ってしまいましょう。轢かれないためには、バイクの運転手の”目を見る”ことが大事です。そうすると、自然に自分を避けてバイクが通ってくれます」(矢積さん)
「会社設立・ビザ取得など手続き」編
9:適切なパートナー企業の選定が肝心
「会社設立のサポートをお願いするパートナー会社によって、設立申請の開始から会社設立までにかかる時間がばらばらです。マイクロアドは広告会社で、”外資の広告会社はベトナムでの法人設立に基本的に1年以上かかる”と言われていましたが、実際には半年で設立することができました。サプライヤーと取引する場合は、現地、外資問わず、入念に情報収集をして、適切なパートナー企業を選ぶ必要があります」(十河さん)
10:グレーなお金の存在
「投資証明書の取得や日本人のワークパーミット取得など、外資企業ならではの会社設立に必要な手続きがあります。その手続きが少し滞ったときには、”数百ドルあればその時間を短縮できる”というような話をよく聞きます。そのお金に対しては、会社の経費として計上するのに必要な請求書が発行されないため、特に上場企業などは避ける手段だと思いますが、そうして対処している企業も中にはあります」(矢積さん)